私は前職から建築金物を中心に扱ってきました。
建築金物の領域は、当社が受注しているバルブ系溶接・加工と比較して、スケールや緻密さは全く違いますが、現場での設置・施工も多くあり、何日も現場に張り付いて施工することもしばしば。
ただ、すべてにおいて当社に共通して言えることは、お客様から頂く相談は常により良い解決方法を真摯に考え抜く姿勢と実践力、にあると痛感しています。
建築金物施工は、その部材を工場で加工・生成し、アセンブリ状態で現場に持ちこむ場合と、パーツを持ち込み、現場で施工して、建築物との調和を取りながら完成させる場合があります。
今までで最も苦心したのが、商業用ビルの外壁パネルの施工。何枚ものパネルを貼る際に重なりがでるので、その重なりの高さをあらかじめ考慮し美観を損なわない配置・仕上がりイメージから逆算。あらゆる方向からイメージし、それをいくつも持ちながら最も良い配置で施工。逆算施工はパターン化できないため、本当に難しく、でも品質の良しあしがはっきり分かれるところで、神経を使います。
どうしても悩むときには社長からの助言ももらい、経験を経ながら納得と自信が持てる仕事が続けられていることに感謝しています。
津山では、ステンレス加工企業が多く存在しますが、ステンレス加工の中でも、製品の良し悪しを大きく左右するのが溶接技術です。溶接技術を身につけるためには3年はかかるといわれています。
私自身も、始めたころはたくさんの失敗をしました。例えば、溶接する部品の天地を反対に溶接をしてしまったり、図面の読み方を間違えてサイズ違いの溶接をしたり、と。私の最大のこだわりは「裏並溶接」の美しさです。溶接では波目をそろえることに技術を注ぎますが、私はさらに美しさを追究しています。
その為、今までの製品で自分で満点の出来栄えはありません。
何時間も時間を忘れて没頭するときも多々ありますが、お客様の期待を超える製品をお納めし、その時にいただける感謝の言葉は何物にも代えがたい、やる気の元となります。
日本一の溶接技術者を目指して、そして、より多くのどこにもできない高い付加価値製品の受注を目指していきます。
YM工業には2017年6月に入社。それまではいろいろ経験もしました。溶接は高校卒業後に少し経験をしたぐらいです。
こちらに入社する前は販売関連の仕事で、その仕事でもいろいろと経験ができたのですが、ある時自分の将来を考えると、長い間世の中で通用する技術を身に着けておくべき、と考え知り合いからYM工業を紹介していただきました。
以前に溶接の経験があっとはいえ、専門特化された企業に入ると、そのレベルは全く違うため、続けられるのか心配もありました。
実際に仕事をし始めて改めて痛感したのは、その溶接の技術力の高さ。曲面形状などの難易度の高いものも、その手際よさ、そして出来上がりの美しさは感動もの。
それよりも驚いたのは、この職場にいる社長をはじめ先輩の方々の人間力です。
難しい技術も優しく実践を通してきちんと教えてくれる、職場も気さくな先輩に囲まれアットホーム。技術が高まっていることをきちんと認めてくれる。
専門技術集団に対して持っていたイメージとは全く違いました。
今では溶接技術もずいぶん上がり、一人で対応する案件も増え、毎日会社に来るのが楽しく、手ごたえとやりがいがあることは、とてもありがたいです。同級生とたまに仕事の話をする機会などで改めて自社の仕事環境が恵まれていることを痛感しています。